
股関節・膝
股関節・膝
太ももの骨の股関節側にある大腿骨頭(だいたいこっとう)が、骨盤側のお椀の形状をした寛骨臼(かんこつきゅう)にはまり込み、大腿骨と骨盤をつないでいます。先天性の疾患や加齢などによって関節に過度な負担がかかり、軟骨の破壊や軟骨と骨に変形が起きる疾患で、女性に多くみられます。
症状
治療
投薬やリハビリが中心になります。特に温熱療法や、股関節周囲の筋力トレーニングは効果的で、鎮痛効果や進行を遅らせる効果があります。
痛みが我慢できないレベルになると、人工関節などの手術を検討します。
股関節で、ふとももの骨に体重がかかる大腿骨頭という部位の一部が壊死してしまい、進行するとその部分がつぶれて、股関節の軟骨がすり減り変形性股関節症に陥ってしまう病気です。
原因は不明ですが、アルコール過剰摂取やステロイド治療が原因となることがあります。
症状
治療
初期は症状も軽く、投薬や筋力トレーニングなどの治療で経過をみます。大腿骨頭の壊死部分がつぶれてきたり、変形性股関節症で痛みが強くなると、人工関節などの手術を検討します。
股関節において、大腿骨側や骨盤側の形状の異常などによって、骨同士が擦れたり衝突してしまい、軟骨や関節唇という組織が損傷することで生じると考えられています。スポーツ選手に多く、比進行すると徐々に変形性股関節症に進行していきます。
症状
治療
原因となるスポーツなどを休止し安静にします。消炎鎮痛剤やステロイド注射などで炎症と痛みの緩和を図ります。股関節周囲の筋力トレーニングやストレッチで股関節へのストレスを軽減します。これらの治療で改善しない場合、手術を検討します。
サッカー選手に多く、ボールを蹴るなどの動作の繰り返しで股関節から下腹部の前側が痛くなる病気です。下肢の肉離れや捻挫などが完治しないまま体のバランスが悪い状態で運動することで、股関節に負担がかかることが原因になることがあります。また、股関節周辺の筋力低下が関与しているとも考えられています。
症状
治療
体幹や下肢の筋力のバランスや機能が低下していることが多く、リハビリをおこない筋力トレーニングやバランスの調整などを行います。重症の場合は手術を検討します。
比較的女性に多くみられ、高齢になるほど罹患率が高くなります。加齢によって軟骨がすり減ることで、膝の痛みや腫れ、変形を生じます。骨折や半月板損傷の後遺症として発症することもあります。また、膝関節には体重の5~6倍の負荷がかかるため、肥満は要因の一つになります。
症状
治療
軽度の場合、運動療法や薬物療法(鎮痛剤やヒアルロン酸注射)で痛みを緩和します。
膝を温めるマイクロ波や低周波などの物理療法や、サポーター・足底板(足の下の中敷)などの装具療法が有効なこともあります。重度の場合は手術治療を検討します。手術には脛骨骨切り術(骨を切って矯正する)、人工膝関節置換術などがあります。
中年以降の女性に多く発症します。何らかの原因で、大腿骨の膝関節側の骨・軟骨の一部に壊死が生じることで膝の痛みが生じます。
症状
治療
投薬や関節注射(ヒアルロン酸、ステロイドなど)で痛みを緩和します。
温熱・低周波などの物理療法や、サポーター・足底板(足の下の中敷)などの装具療法が有効なこともあります。重度の場合は、脛骨骨切り術(骨を切って矯正する)、人工膝関節置換術などの手術を検討します。
前十字靭帯は、膝関節の中心部で大腿骨(太ももの骨)と脛骨(すねの骨)をつなぐ、強靭な靭帯であり、後十字靭帯と十字に交差して膝関節を安定化させています。スポーツ活動によって、膝をひねったり、他者と接触したりして受傷します。サッカー、バスケットボール、スキー、柔道など様々なスポーツで起こりえます。
症状
治療
膝が不安定になるため、半月板や軟骨の損傷を招き、将来的に変形性膝関節症に発展してしまうこともあります。スポーツに復帰できる程度まで運動機能を回復させたい場合、前十字靭帯を再建する必要があります。手術は主に関節鏡というカメラを用いて行います。
半月板は、大腿骨(太ももの骨)と脛骨(すねの骨)の間に存在する組織です。半月というよりは「C」に似た形状で、膝のクッションとして機能しています。膝をひねるなどのケガや、加齢によっても損傷されていきます。
症状
治療
自然治癒しにくく、放置すると損傷が大きくなり症状が増悪します。
治療にはサポーターで患部を固定し、投薬やヒアルロン酸注射で痛みを和らげます。
膝周辺の筋力強化が有効とされており、リハビリをおこないます。
改善しない場合には、関節鏡を用いた手術治療を検討します。
スポーツなどによって、膝周囲の筋肉・腱・靭帯に炎症をきたした状態です。
治療
基本的に安静、休養が重要となります。痛みや腫れがひどい場合は消炎鎮痛剤や冷湿布を用います。また、膝周囲尾の柔軟性を改善するストレッチも欠かせません。
TOP