2025年9月07日

今回は、犬や猫に咬まれた傷について説明していきます。
犬や猫の歯には多くの菌が付着していますが、中でもパスツレラ菌が有名で、咬まれると比較的高い確率で感染を引き起こすリスクがあります。咬まれた後、数時間から数日以内と比較的早い段階で感染症状を引き起こします。特に猫の歯は非常に細く、一見キズが非常に小さいため軽いケガだと思い込みやすいのですが、歯が思った以上に深く進入していることが多いので注意が必要です。傷が小さい分、深部に入り込んだ菌が出ていく出口も狭いため、菌が深部に閉じ込められてしまうからです。症状は痛み・赤く腫れるなどです。
咬まれる部位としては手が最も多く、手は腱や骨、関節が皮膚表面から近いため、化膿性関節炎や化膿性腱鞘炎という簡単には治らない状態に陥りやすいので特に要注意です。
治療は、できるだけ早く抗生剤を投与することが先決です。感染の状態が急激かつ深部に広がる際には、手術が必要になったり、後遺症を生じる場合も少なくありません。
犬猫に咬まれた際には、症状が軽くても放置せずに早めにご相談ください。